資産を増やしたい、投資が必要だと思うけど何をするべきなのか分からない。
投資の経験がない初心者はいざ決心をしても、よく分からず途方に暮れる方も多いのではないでしょうか。
上記のような投資経験がない方は、本書で資産形成の王道を学ぶことができます。
将来に不安があり資産を増やしたい人
資産を増やすために具体的に何をすべきか分からない人
投資をしたいけど何に投資すべきか分からない人
『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』について
本書は経済的自由を手に入れたジェイエル・コリンズ氏が、10代の娘宛てに「お金と投資」について書いた手紙の内容を元にして書かれた本です。
そのため投資初心者や社会に出たばかりの若い方が経済的自立を達成するための知識が、網羅的に書いてあります。
内容が本質的であったことから米国で支持され、本書は同国のFIREムーブメントのバイブル的な存在となりました。
税制や投資対象は米国人向けのものですが、ノウハウや考え方は米国に限らず世界共通です。
FIREの考え方が浸透してきた日本でも、経済的自由を目指す方にとっては必読となった一冊です。
著者について
ジェイエル・コリンズ氏は1975年から投資を行っている個人投資家でブロガーです。
投資で成功しているコリンズ氏ですが、本質的には働きものです。
8歳からハエ叩きを売ったり、空き瓶を売ったりして働き始めました。
その後、皿洗いから郵便局員など10種類近くの仕事を経験後、広告代理店の起業、投資責任者の経験をされています。
何度も転職する中で収入の範囲内での生活をするようになりました。
そして気がつけば夫婦二人が働かなくても暮らせるようになり、経済的自由を達成しています。
経済的自由への道筋を書いた娘あてへの手紙をブログで公開したところ、大反響となり本書の執筆に繋がりました。
現在でもブログ、ならびに書籍出版を通じて経済的に豊かになる方法を発信し続けています。
本の概要

価格:1,650円
発売日:2020/1/23
ページ数:304ページ
本書はジェイエル・コリンズ氏が2016年に出版した「The Simple Path to Wealth」の日本語版です。
原著はAmazonレビュー1000以上、星5つ中、平均4.7というハイスコアであり、世界中で圧倒的に支持されている書籍です。
【要約】父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え
- はじまり
- Part1 オリエンテーション
- Part2 資産形成の最強ツールをどうコントロールするか
- Part3 なぜほかの投資はよくないのか
- Part4 たどり着いたあと、何をするか
- おわりに
本書は、以下の構成で書かれています。
本書はコリンズ氏が娘にあてた手紙の内容を元にした内容が書かれています。
彼は娘に経済的な自由を早く楽に実現してほしいと願っていました。
つまり本書は早く楽に経済的に自由になるための方法を説明する本です。
経済的自由とは選択肢を持っており、何かあれば「ノー」と言える状態のことです。
例えば、嫌な仕事に「ノー」と言うこと、会社に勤め続けることに「ノー」ということ。
このような自分で選び取る自由を持っている状態と言えます。
本書で紹介されている経済的自由を達成する方法はシンプルです。
「稼ぐ範囲で使い、余剰資金は全米株インデックスファンドに投資する」
上記を実践するだけで、経済的自由を達成できるでしょう。
この記事では本書で紹介されているコリング氏の言葉や経験談を交えつつ、経済的自由を達成するための道筋を紹介します。
借金はせず、収入の範囲内で生活する
経済的自由を達成するためには借金をせず、収入の範囲内で生活することが前提です。
借金は富を築く機会を奪ってしまいます。
借入金があると収入の一部を利息の支払いにあてる必要があり、その部分のお金を使うことができません。
また返済のために現在の収入に依存することになります。
結果、今の仕事をやめることができないなど、人生の自由度が下がってしまうのです。
コリング氏は「借金をして利息を払う価値のあるものはこの世にない」と断言しています。
家を買うための住宅ローンでも、彼にとっては良い借金ではありません。
家を持つことは道楽なので借金までする必要はないのです。
人それぞれ価値観が違うので、借金を使って実現したいことがある人もいるでしょう。
多くの人は大なり小なり借金を使って当たり前のように物を購入しています。
大切なことは周囲の人が「良い借金」だと言っていることを、当たり前だと思い込んで借金をしてしまわないことです。
借金は経済的自由を目指す上で、大きな足枷となります。
まず借金は当たり前ではないことを理解し、収入の範囲内で生活することを目指しましょう。
お金を働かせる
収入の一部を投資して、お金に働かせてお金自身に稼いでもらうことが、経済的自由のために必須です。
お金は「ものを買う道具」という考えが一般的ですが、その考えでは資産が大きく増えていくことはありません。
例えば有名な元世界チャンピオンのボクサー・マイクタイソンですが、彼はボクサーとして約300億円稼ぎましたが、一度破産しています。
原因は稼いだ分だけ、お金を使ってしまっていたからです。
根本的にはタイソン氏がお金をものを買う道具としか考えていなかったことでしょう。
彼のライフスタイルは毎月約4000万円かかっていました。
お金をさらに富を生み出すものに変えて、さらに財産を増やしていく。
この考えを身に付けなければ、どんなに稼いでもお金持ちになることは不可能です。
そのために収入を全部使うのではなく、一部を投資にまわしていく必要があります。
稼いだお金は投資して、お金自身でお金を稼いでもらう。
この原則を理解して実践することでお金持ちへの道が見えてきます。
自由を得るためのお金を持つ
お金で得られる最も価値があるものは「自由」です。
お金があれば選択肢を多く持つことができます。
例えば、すぐに生活に困ることもないので嫌な仕事をやめることもできます。
しばらく仕事を休んでどこか遠いところへ旅行へいくこともできるでしょう。
コリンズ氏は初めてお金を貯めたとき、上司と交渉して6週間の休暇を取得しました。
その休暇で自転車でアイルランド、ウェールズを周る旅に出かけたそうです。
経済的自由を目指すのは、自分の自由な選択肢を得るためです。
そのためのお金、財産を作ることが重要です。
社会人になって間もない方など、まとまったお金が溜まっていないのであれば今すぐに貯める必要があります。
財産が増えていくことで自由の選択肢が増えていくことになるでしょう。
自分がしばらく生活していくお金を確保できれば、会社に縛られた生活をする必要はなくなります。
お金を増やして自分の選択肢を増やしていくことが、経済的自由のために必要です。
インデックス投資をする
経済的自由を目指すために投資するものは、広く分散されたインデックスファンドです。
特にこれから資産を増やす方は、株式に投資するインデックスファンドを購入しましょう。
広く分散されたインデックスファンドは株式市場全体が成長していくことで価値が上昇します。
株式市場全体で見れば10〜20年の長期スパンで成長していくため、長期投資で利益を享受することが可能です。
逆にアクティブファンドでは長期的な投資でも損をしてしまう可能性があります。
アクティブファンドはファンドマネージャがインデックスファンドを上回る運用を行う商品です。
そのファンドマネージャ分の手数料を払う必要があるので、享受できる利益が手数料分、減少してしまうからです。
コリング氏の場合は、バンガード社が運営するVTSAXというインデックスファンドを推しています。
VTSAXは米国で投資可能なほぼ100%の株式に投資するファンドです。
経費率が0.04%とかなり抑えられており、手数料がほぼかからずに米国株式市場全体に投資できる優れた商品です。
日本においては、VTIという米国ETFを購入するか、VTIに連動した投資信託であれば同じ効果を得ることができます。
インデックス投資は経済的自由を達成するために必須となる投資です。
手数料のかからない広く分散されたファンドを購入するようにしましょう。
毎年の支出額の25年分の資産を築く
経済的自由の最終目標は毎年の生活費の25年分の資産を築くことです。
お金を稼ぎ、投資によって資産を上記の規模まで増やせば、経済的自由を達成できます。
一般的に資産から得られる利益は、1年で資産額の4%と言われています。
つまり資産額の4%の額で、毎年生活が出来れば自分で働かなくても良いということです。
例えば、毎年の生活費が250万円の場合、6250万円の資産があれば経済的自由の達成です。
資産の4%を取り崩しても資産を維持できることは、「トリニティスタディ」という研究で学問的に検証されています。
トリニティ大学の三人の教授が、過去の市場データを元に、資産を何%引き出せば30年後に資産が残っているかを検証しました。
その結果、取り崩し率を4%に設定すれば96%の確率で30年後も資産が残ることがわかりました。
過去データを元にしたものですが、トリニティスタディからも年間生活費の25倍の資産が、経済的自立の目標に妥当であるとわかります。
経済的自由で目指す数値目標は、毎年の支出額の25年分の資産を築くことです。
この目標に到達するための計画を立て、実践することで自由への一歩を踏み出しましょう。
この本がおすすめの人・おすすめではない人
おすすめな人
- これから資産形成を始める人
- 経済的自立に向けて網羅的な知識を得たい人
おすすめでない人
- FIREの勉強をある程度したことがある人
- 日本での具体的な戦略を知りたい人
この本がおすすめの人
これから資産形成を始める人にオススメです。
コリンズ氏の10代の娘さんに向けたアドバイスを元に書かれているので、資産形成をする上で最初に知っておくべきことが網羅的に書かれています。
投資に関する基本的な考え方、投資すべき商品と資産額の目標など、経済的自立までに必要な知識を得たい人には必読の書籍です。
この本がおすすめではない人
FIREや経済的自由についてある程度勉強された方、それに向けて具体的に行動をすでにしている方には特に目新しいことはありません。
米国人に向けて書かれていることから、税制や投資商品も米国のものです。
日本での具体的な制度や投資商品をもっと知りたい方は、日本に特化した書籍や媒体も参照した方が良いでしょう。
【Youtubeで要約】父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え
Youtubeで楽しみながら要約を知りたい方は、Youtubeで本書を纏めている方の動画を観るのでも、勉強になります。
フェルミ漫画大学
【要約】父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え【ジェイエル・コリンズ】
クロマッキー大学
【15分でわかる】父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え【投資の基礎】
聞いてわかる投資本要約チャンネル
【全米ベストセラー】父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え【レビュー】
明快キング
【投資】『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』を解説
YouTube図書館
【10分で解説】父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え(ジェイエル・コリンズ / 著)
本要約・書評の10分解説チャンネル
【本要約】父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え(著;ジェイエル・コリンズ 氏)
【特撮と投資】ルネ岩田
1〜5の教え「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え①」
要約図書館 エッセンシャルブック 【毎日19時更新】
【パパママ必見】父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え
たすくチャンネル
【本解説】父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え ジェイエル・コリンズ (著)
まとめ
今回は本書で引用されているコリング氏の言葉や経験談を交えつつ、経済的自由を達成するための道筋を紹介しました。
経済的自由を達成するための道筋は下記の通りです。
- 借金はせず、収入の範囲内で生活する
- お金を働かせる
- 自由を得るためのお金を持つ
- インデックス投資をする
- 毎年の支出額の25年分の資産を築く
本書はこれから経済的自由に向けて努力する人にとって必読の内容です。
紹介されているのはシンプルな方法ですが、継続していく上で困難も待ち受けています。
そんな困難にあたったときに読み返せば、本書の内容は灯台のように経済的自由への進路を照らしてくれるでしょう。

