この記事では、上手く説明するコツをギュッと1冊に詰め込んだ書籍、YouTubeチャンネル「ハック大学」のペソさん著『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』をご紹介します。
新入社員の人
上司・部下・同僚とのコミュニケーションを今よりも円滑にしたい人
仕事で人に説明する場面が多い人
色んな説明上達HOW TO本を読んで試してみたが自分に合う説明のコツが見つかっていない人
それでは早速、どんな書籍かご紹介します。
『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』について

タイトルを見て「今の仕事は説明やプレゼンしたりする機会はほとんどないし関係ないや」と思ったそこのあなた。
少し待ってください!
「人に説明する」というのは大きなプレゼンの場面だけではありません。例えば、
- 上司へ仕事の進捗報告をするとき
- 部下に仕事を依頼するとき
- お客様へセールストークするとき
- 転職活動の面接で現職の実績を伝えるとき
- 「サブスク」という言葉を知らない人に意味を教えるとき
- 昨晩のプロ野球の試合展開について雑談するとき
このように私達の日常は、「説明」の連続で成り立っています。
こう考えると、説明が上手くなるコツをマスターすると毎日が少しずつ良くなっていくように感じませんか?
実際著者のペソさんは世の中にある以下のたくさんの説明法を試してみて、結果「使えなかった」と断言しています。
- ロジカルトーキングで理路整然と伝える
- 相手に思いが伝わるように熱意を込める
- 必ず結論から端的に話す
- 相手の話をさえぎらないように相槌を打ち続ける
- 上司が判断しやすいように起きたことを時系列で話す
- モレがないように知っていることはすべて話す
- ビジネス用語や横文字を駆使してカッコよく説明する
- 指示する場合は「やること」だけ簡潔に伝える
- 有名経営者のような華麗なプレゼンで魅了する
もし、著者と同じように上記の説明法を試してみたけど、「どうも説明が上手くできていない気がする・・・」という方には特に本書はお役に立つこと間違いないでしょう。
また、これから上手に説明するノウハウを学んでいきたい!という方にもおすすめできます。なぜなら本書はダメな説明方法と良い説明方法を分かりやすく具体的なシーンを例に挙げて解説してくれているからです。
それでは、気になる著者「ペソさん」とは一体どんな方なのかご紹介していきます!
著者について

<ハック大学 ぺそ プロフィール>
1988年生まれ。主にYouTube「ハック大学」を通じて、仕事術、キャリア戦略などビジネスに役立つ情報を発信。チャンネル登録者数は25万を超える。
チャンネルにアップされた動画の中でも説明に関する動画は人気のコンテンツ。
専業YouTuberではなく、普段は外資系金融機関に勤める現役のビジネスパーソンで、年収は2,000万円。著書に「行動は結果を変える ハック大学式 最強の仕事術」(ソシム)がある。
<引用:『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』カバーより>
今回ぺそさんにとって2冊目の著書となります。
現役のビジネスパーソン。実体験から導き出された説明術には説得力があります。
本の概要

価格:1,540円(税込)
発売日:2022年2月25日
ページ数:240ページ
今年発売されたばかりの著書です。
【要約】「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた

『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』は、全部で以下の6章に分かれています。
- 1章 説明が下手な人にありがちな4つの特徴
- 2章 「結局、何が言いたいの」と言われなくなる方法
- 3章 「話がダラダラ長い」と言われてしまう人のためのメソッド
- 4章 相手になかなか納得してもらえない人のためのメソッド
- 5章 相手を思い通りに動かすテクニック
- 6章 手ごわい相手に「YES」と言わせるテクニック
目次を読むだけでも「あ、きっと自分に必要な情報だ」と思う人も多いのではないでしょうか。
説明は誰でも上手くなると著者は言います。コミュ力は関係ない!ましてやセンスも関係ありません。
この本のテクニックを身につければ説明力をアップしていきます。
それでは説明における注意点と、わたしが「なるほどな!」と思ったテクニック・内容を取り上げてみたいと思います。
あなたは大丈夫?説明下手な人の4つの特徴

はじめに説明下手な人は考え方が正しくないと著者は言います。
説明が下手な人には共通の考え方があり、特徴として以下の4つを挙げられます。
- 「相手が聞きたいこと」を考えず「自分が伝えたいこと」だけ話す
- 毎回同じ人にダメだしされているのに「攻略法」を考えない
- 自分が理解しきれていないことを説明しようとする
- 「説明の技術」を熱心に学ぶけれど実践しない
この4つが説明下手の特徴であることをまず理解したうえでテクニックを身につければ、取り組む仕事が各段に上手くいくようになると紹介しています。
「相手が聞きたいこと」を考えず「自分が伝えたいこと」だけ話す

説明が上手くいかない最大の理由。それは「相手を無視しているから」
相手に向かって話しているから相手を無視しているわけないじゃないか!と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし緊張や経験不足などが原因で、人に上手に説明する上で大切なことが意識できていないことがよくあります。
人に上手に説明する上で大切なこと。それは「相手のことを考える=相手ファースト」の大原則。
そこで意識していただきたいのがこの2つ。
- 自分はこれから、何のために説明するのだろう?
- 相手は、自分から何を説明されると嬉しいのだろう?
いい説明には必ず聞く側にメリットがあります。
自分でいい説明をしているつもりなのになぜか相手に伝わらない。そんな時、あなたの説明は「自分ファースト」になっているかもしれません。
毎回同じ人にダメだしされているのに「攻略法」を考えない

完璧に準備しているつもりなのに、なぜか本番に弱いという方は準備するものが間違っている可能性があります。
準備って、見やすいプレゼン資料?立て板に水で喋れるようにトレーニングすること?
と考えがちですがそれは違います。
事前にしておくべき大切なこと。それは「説明する相手の人物像のリサーチ」です。
あなたが説明する相手は一体誰でしょうか?
直属の上司。担当の役員。取引先の担当者。同じ部の部下。別の部署の社員。発注先の企業担当者。などなど。
事前リサーチもなく、説明で納得させたい相手にやみくもに突撃していくのは愚かです。
事前に集められる相手の情報があればできる限り集めましょう。
情報が集まったら、相手にどのように説明するかなどの戦術が変わってきませんか?どう説明することが相手の期待に応えることになるのか見えてきそうだと思いませんか?
相手に合わせて説明の方法もカスタマイズ。相手が期待している内容を説明できると大きくポイントを稼ぐことができます。
自分が理解しきれていないことを説明しようとする

「ところで君はこれについてどう思う?」
説明下手の方はこんな風に上司から急に意見を求められることを苦痛に感じる人もいるのではないでしょうか。
説明したいけど上手く言葉が出てこない。
ビジネスにおいて「意見がない」のは、「自分の頭で考えていない」と言っているようなもの。
実はこのような人も典型的な説明下手に当てはまると著者ぺそさんは言っています。
説明ができないということは「考えが言葉にならない」のではなく、「考えていないから言葉にならない」ことが大いに考えられます。
では、自分の頭で考えるクセがつくには具体的にどうすれば良いのでしょうか。
それは「仮説思考」が大きな武器になります。
例えば「この新商品は顧客の悩みを解決するだろうか」という質問を自分自身に問いかけます。
できる限りデータを調べ、顧客の声を集め、自分なりに考えると「こうすれば顧客の悩み解消に役立ちそうだな」と答え(仮説)が頭に浮かびます。
これこそがあなた自身が頭で考えたこと。
この仮説は正しくある必要はありません。むしろ仮説など正しくないことの方が多いのです。
日頃からこのように仮説をたてるトレーニングをしていれば上司に突然意見を聞かれても怖くなくなります。
この「仮説思考」については、本書の第2章でも説明される内容になります。
「説明の技術」を熱心に学ぶけれど実践しない

勉強熱心な人ほど、テクニックを増やそうと一生懸命になりがちです。しかし、テクニックは適切なタイミングで使えてこそ効果を発揮します。
どのテクニックをどの順で使うかは「相手」と「目的」から導かれます。残念ながら社会で求められる答えはケースバイケースとしか言いようがありません。
つまり説明力アップのカギとなるのは「個々のケースをどう捉え、戦略を立てていくか」なのです。
だからテクニックのインプットだけでは不完全。実践をくり返してこそ説明力が身についていきます。
就職活動の面接を例にすると分かりやすいです。
就職活動の面接も場数を踏んでどんどん慣れて説明も上達していったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
それは、自然と「インプット」と「アウトプット」をセットで行っていたから。
面接選考の結果がでないから学ぶ→学んだらすぐに次の面接で試す→試した結果を受けて修正・アレンジする→新たな学びを得る。
「学び」→「練習」→「フィードバック」の回転が、就職活動の時には半強制的にできていたわけです。
いきなりパーフェクトにできなくても練習を重ねれば重ねるほど成功率は上がります。
アウトプットしなければ説明テクニックは身につきません。
このことを胸に本書を読んでほしいと著者はつづっています。
「事実」と「自分の解釈」を分ければスッキリする

自分としては、詳しく丁寧に説明しているつもり。それなのに相手からは「キミの説明はダメだね」そう言われる理由は何だと思いますか?
それは「事実」と「解釈」を分けることができていないから。
「事実」は実際に起こった事柄(客観)、「解釈」は自分なりの考えや理解(主観)です。
本書に挙げられている例が分かりやすいです。
- Q:今日の気温は? A:【事実】20度です 【解釈】結構暖かいです
- Q:あの人は何歳? A:【事実】30歳です 【解釈】まだ若いんです
- Q:契約更新の状況は? A:【事実】未確定です 【解釈】悪くなさそうです
さてこの3つのパターン。「事実」と「解釈」に分けていますが、「解釈」の内容で相手に正しく伝わるでしょうか。
①のパターンは誰でも簡単に理解できるでしょう。肌寒い時期で、お互いが東京にいる限り「暖かい」は共通認識なので、その場で共有されやすい解釈とも言えます。
②のパターンは少し事情が違います。
35歳と40歳で会話しているなら問題ないですが、22歳の新入社員にとって「30歳って若いの?」と強い違和感を持つでしょう。
③のパターンは最悪です。
質問者が気になっている事実に対して、事実を伝える前に自分の解釈を説明し始める人は、不信感を持たれかねません。
その時点でダメな人認定を受ける可能性が高くなってしまいます。
説明をする際は、自分の中で事前に「事実」と「解釈」を区別し、絶対に混同してはいけないのです。
しかし、どの場面でも「解釈」が全く不要というわけではありません。その理由は本書でぜひご確認ください。
スティーブ・ジョブズになってはいけない

プレゼンの天才と聞いて多くの人が想像するのが、アップルの創業者、故スティーブ・ジョブズかもしれません。
いつも同じ服を着て、少し神経質に動き回りながら、独特の身振り手振り、シンプルなメッセージと「間」を駆使した口調で新製品やサービスの内容と意義を語る。多くの顧客や業界関係者が、彼の発表に聞き入り、魅了されました。
しかし、だからと言って皆さんはスティーブ・ジョブズを目指してはいけません!と著者は言います。
あまり大きな声では言いにくいですが、世の中には今もジョブズのスタイルをまねて自社の新製品などを発表している経営者がいます。
慣れていないとわかるカジュアルな服装に身を包み、ゆっくりと台本読みしているような姿を見てどう思いますか?
「スベってる」「正直痛い」「見ているこっちのほうが恥ずかしくなる」。大事な発表のはずなのに、その姿にばかり目がいって内容がほとんど頭に入ってきません。
自分のプレゼンの経験値のなさを、成功したスタイルをまねることでカバーできると誤解している人がいます。しかしそれは下手をすればコントのように見えてしまい、プレゼンではなく演劇になってしまいかねません。
自分は「凡人」だ。と皆さんが決めてしまえば凡人には凡人のやり方があります。
凡人のプレゼンは、結論「普通」で良いのです。
- しっかりと資料を用意
- 伝えたい重要なメッセージを、シンプルなスライドで構成
資料が100%だとしたら説明の内容は50%くらいを目指す。
ごくごくオーソドックスですが、本書で紹介している説明力の正しいスタイルをしっかり身につけることが先決です。
なぜならジョブズのような有名人でない人間が行うプレゼンでは、「発表のスタイル」ではなく「発表する内容」にこそスポットが当たるべきだからです。芝居がかったプレゼンは肝心な内容が頭に残りにくくなるのです。
本記事では、『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』の中で3つのトピックをピックアップしました。気になるトピックはありましたか?
ぺそさんのメソッドを試してみたい!と少しでも思われた方は、ぜひ本書を手に取ってみて下さい。
【Youtubeで要約】「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた
Youtubeで楽しみながら要約を知りたい方は、Youtubeで本書を纏めている方の動画を観るのでも、勉強になります。
ハック大学
【本出します!】「「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた」を徹底解説!
サムの本解説ch
【15分で解説】「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた
クロマッキー大学
【ハック大学 ペソさんの新刊】「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた【上司をハックしよう!】
中田敦彦のYouTube大学 – NAKATA UNIVERSITY
【説明が上手い人、下手な人①】説明上手になれば仕事・恋愛・人間関係が上手くいく!
スパイク山本のビジネス マーケティング本要約と解説ch
【本要約-頭が良いと思われる方法】「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた
「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみたがおすすめな人、おすすめではない人

今回ご紹介した『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』は以下のような人におすすめです。
逆におすすめでない人もお伝えします。
おすすめな人

本書はこんな人に特におすすめです!
- 前章で紹介した「説明下手な人の4つの特徴」当てはまっているという自覚がある人
- 新入社員の人
- 上司・部下・同僚とのコミュニケーションを今よりも円滑にしたい人
- 仕事で人に説明する場面が多い人
- 色んな説明上達HOW TO本を読んで試してみたが自分に合う説明のコツが見つかっていない人
説明下手の特徴に当てはまっている・・・と感じた方はぜひ本書を手に取ってみていただきたいです。
実際の説明下手な例・上手な説明の例も交えながら分かりやすくテクニックが紹介されています。
読書が少し苦手という方も比較的読みやすい内容になっているように感じます。
おすすめではない人

逆におすすめではない人は、
「説明が上手になる本を持っていてまだ本の内容を試してみたことがない人」
です。本書の内容はもちろん試してみる価値はありますが、すでに説明上達に関する本を数冊持っていて、その方法を実践に移していないのであれば、まずそれを試してみましょう!
それでもしっくりこない。説明が上手になる気がしない。そう感じるのであれば、本書を手に取ってみて下さい。
まとめ

今回は『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』をご紹介しました。説明上手になると、日々のコミュニケーションが円滑になります。
大きな場で説明する機会はなくても、日々のコミュニケーションをより良くするためという目的でも本書はお役に立つと思います。
本書のテクニックを実践して、説明上手になってまわりと差をつけていきましょう!

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