経済的自由を目指していく中で、自分の方向性がこのままで良いか迷ってしまう方、多いのではないでしょうか。
書籍やSNS、youtubeなどでFIREに関する話題に事欠かない昨今ですが、いざ目指そうと思ってもなかなか一歩を踏み出せないこともあるでしょう。
そんな経済的自由、FIREへの道のりに悩んでいる方は本書を読むことで、自分の道筋を定めることができます。
FIREに向けて努力をしている人
FIRE達成のために今やっていることが合っているか不安な人
経済的に豊かになるために何が重要かを知りたい人
『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』について
本書はエンジェル投資家として有名なナヴァル・ラヴィカント氏による語録集です。
ナヴァル氏のブログ投稿記事、ツイート、対談だけで構成されており、それらを著者のエリック・ジョーゲンソン氏が編集したものです。
本書ではアメリカをスタートアップ大国に押し上げたナヴァル氏の発言から「富」と「幸福」について掘り下げたものです。
特にこれから経済的自由を求めて、行動していく方にとっては一つ一つの言葉が突き刺さる内容になっています。
著者について
ナヴァル・ラヴィカント氏は1974年にインド・デリーに生まれ、9歳でアメリカ・ニューヨークに移住しました。
毎日生きていくのに必死で、小さいころから新聞配達や皿洗い、15歳では違法ケータリング会社の荷台でインド料理を配達していました。
現在は約200社の企業に投資をする企業投資家で、多くの企業の相談役や取締役に籍を置いています。
ナヴァル氏は1999年の25歳でエピニオンズを創業後、様々な起業やベンチャー・キャピタルの立ち上げに関わってきました。
また初期のツイッターやウーバーなどへ投資するなど、エンジェル投資家としても活躍してきました。
特にエンジェル投資家とスタートアップ起業家をつなぐサイト「エンジェルリスト」の創業者、会長として有名です。
数多くの企業の創業と発展に貢献してきた実績から、シリコンバレーのスタートアップ界におけるアイコン的存在と言われています。
本の概要

- 価格:1870円
- 発売日:2022/8/22
- ページ数:320ページ
本書はアメリカをスタートアップ大国に押し上げたナヴァル・ラアヴィカント氏の金言を集めた書籍です。
ナヴァル氏の「金儲けのために書かれた本は信用できない」という考えから、誰でも読める形にされています。
本書はpdf版としても無料で公開されています。
【要約】シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント
本書は、以下の構成で書かれています。
- 第一部 富 この世界で運に頼らず「リッチ」になるには
- 第二部 幸福 この世界で最高の人生を歩むには
本書ではナヴァル氏が貧しかった時代から、豊かに幸せに過ごせるようになるための原理原則が記載されています。
ナヴァル氏は「リッチ」になるためには、富を保有せよと言っています。
富は寝ている間も稼いでくれる資産です。
富を得るためには、「社会が求めているものの、まだ手に入れ方が分からないものを大規模に提供する」ことが必要です。
言い換えると多くの人にサービスを提供する事業を所有できれば、「リッチ」になれます。
事業(ビジネス)は自分が投下した時間以上に、価値を生み出し続けることが可能だからです。
自分が夢中になれる事業を見つけてお金儲けをできれば、経済的自由への道が開けるということが本書の主張です。
本書では上記のような「リッチ」になるための金言を中心に紹介されています。
今回の記事では、FIREを目指す方にとって必要な「富」を得るためのエッセンスを中心に、ナヴァル氏の金言を紹介します。
「努力量」は勝負を決めない、「方向」を探り定める
お金持ちになるために自分がかけた時間(=努力量)の大きさは関係ありません。
努力をする方向性が勝負を分けます。
間違った目標に向かって努力をし続けても、結果として富を得ることができなければ意味がないからです。
日本人の平均所得は1994年の平均664万円をピークに、2018年には552万円と下がり続けています。
そのような中、大多数の人と同じように一つの会社で働き続けても給料はあがらず、お金持ちになれないことは明らかです。
これからの時代は一つの会社に勤めあげるのではなく、転職で給与アップを狙ったり、副業で事業に挑戦するなど、多数の人とは違った戦略を取ることが正しい方向性と言えるでしょう。
努力は成功のために必要ですが、それを正しい方向に向けることが最も重要です。
ナヴァル氏は「努力が過大評価され、判断が過小評価されている」と語っています。
自分の行動を振り返り、良い判断ができるように今一度考える時間を作ってみましょう。
「特殊知識」を追求せよ
お金持ちになるための正しい方向性は「特殊知識」を生かすことです。
「特殊知識」とは、他の人よりも得意なスキルや知識で、自分が夢中になって取り組めるものです。
特殊知識を生かすことは自分にとって遊びのようなことなので、他の人と圧倒的な差をつけることができます。
この差が私たちの富を増やすことに役立ちます。
例えば「営業スキル」は特殊知識の一種です。
生まれながらの営業マンという人は、普通の営業マンよりも少ない努力量で大きな成果を出すことができます。
しかしながら、特殊知識は必ずしも訓練では身につかないスキルです。
- 遺伝から来る独自の特性
- 独自の生い立ち
- 上記に対する働きかけ
上記が組み合わさってできたものが特殊知識であり、私たちの個性や人となりに織り込まれています。
特殊知識は自分の中に織り込まれているため、自分ではなかなか気づくことができません。
見つけるために、自分が子供のころから苦労なくやっていたことを思い出してみましょう。
他の人よりも少し得意なこと、続けてやっていても嫌にならないものが何かあったのではないでしょうか。
ナヴァル氏は子供のころは宇宙物理学者になりたかったそうですが、母親からはビジネスに向いていると言われていました。
大人になった彼はお金儲けの特殊スキルを生かし、今ではビジネスで大成功しています。
このように自分では気づいていなくても、周囲の身近な人からみると得意なことが分かる場合があり、それが特殊知識の可能性があります。
もちろん特殊知識を見つけるのは簡単ではありません。
しかしナヴァル氏は「人生の大半は、君をもっとも必要としてくれる人やものを探す旅だ」と言っています。
自分らしさを生かした仕事ができれば、夢中になって他の人と圧倒的に差をつけることができます。
お金持ちになるために、自分の特殊知識を探し当てましょう。
最強のレバレッジ「コード」と「メディア」を使う
お金持ちになるために「レバレッジ」の力が必須です。
自分の特殊知識を生かす、現代において最強のレバレッジは「コード」と「メディア」です。
レバレッジとは「てこの原理」という意味で、小さいインプットを大きなアウトプットに増幅させる力を指します。
お金持ちになるためには、このレバレッジを使って自分のサービスを多くの人に届け、得られる富を増幅させることが必要です。
レバレッジには大きく以下の4つがあります。
- 労働(人を雇うこと)
- カネ(資金を調達すること)
- コード(プログラミングで作るwebサービスやアプリ)
- メディア(ブログやyoutubeなどの多数の人々に情報を届ける媒体)
ナヴァル氏は現代において、3つ目と4つ目が最強といっています。
コードとメディアは誰の許可も要らず、費用0で作ることができて、多くの人にサービスを提供できるものだからです。
「労働」は雇われる人の許可、「カネ」は資金を出してくれる人の許可が必要です。
これらの「許可」を得るために多くの労力が必要で、誰でも手に入れることはできません。
一方、コードとメディアは最近生まれたもので、コンピュータさえあれば誰でも作ることができます。
つまり、自分のサービスを多くの人に届けることができるツールを現代では「誰でも」手に入れることができるのです。
例えば、最近youtuberとして有名になった方は、まさに「メディア」というレバレッジを通して、自分のスキル(特殊知識)で提供できるサービスを最大化した良い例と言えます。
彼らは普通の労働では手に入れることができない富を築くことができています。
コンピュータを使ったレバレッジを使える現代では、多くの人にチャンスが広がりました。
しかし多くの人は自分たちの側にこのチャンスが転がっていることに気づいていません。
お金持ちになるために、「コード」と「メディア」のレバレッジを利用しましょう。
自分の「名」のもとに事業に取り組む
お金持ちになるためには、特殊知識を生かした事業を所有することが必要です。
その際には失敗したときの「説明責任」を引き受け、リスクをとらなければなりません。
自分で責任をとることで、自分の名に「信頼」が溜まり、労働や資本のレバレッジを使うことも可能になるからです。
労働や資本は誰かから提供を受ける必要があります。
例えばyoutuberとして動画作成を事業にしたとします。
最初は自分で企画から編集、投稿までをしていてもその後、外注して自動化することも考えられます。
その時にyoutuberとしての実績があれば、外注先も見つかりやすいですし、もしかしたら誰かが投資をしてくれるかもしれません。
それはyoutuberとしての事業が失敗したときの責任や損失を自分でとる見返りとして、「労働」と「カネ」のレバレッジを受け取ることが出来るからです。
自分で事業を取り組み、そこに信頼を積み上げていくことがお金儲けには必要です。
責任や損失をとり、ときには説明しなければならない場面にもなるでしょう。
しかし「説明責任」をとった事業は圧倒的なレバレッジを与えてくれて、お金持ちへのゴールにあなたを近づけてくれるはずです。
自分の事業に長期的に取り組む
自分の得意なことでリスクをとり、事業にレバレッジをかけていくとレベルが上がることを感じるでしょう。
そのまま自分の所有する事業に長期的に取り組めば、お金持ちへの道がひらけます。
自分の特殊知識にレバレッジがかかり、段々と自分のインプットに対して、アウトプットが二次関数的に増えていくからです。
言い換えれば、自分の富に複利がかかり、資産形成のスピードが急上昇するのです。
上昇する中で気をつけるのは、自分の「時間」を長期的にどう使うのかを正しく判断することです。
ここで自分の努力の方向を間違うと、レバレッジが逆にかかってしまい、富の増殖がストップしてしまいます。
ナヴァル氏は成功するには「辛抱が必要だ」と言っています。
本当にすごいなと思った人は例外なく成功していますが、十分に長い時間が必要だったと語っています。
辛抱が必要であるからこそ、何に時間を使うのかの判断は正しくしなければなりません。
自分の特殊知識で事業に取り組み、レバレッジを使うことができれば経済的自由へ到達できます。
十分に長い時間を必要としますので、辛抱強く、たゆまず努力を続けましょう。
【Youtubeで要約】シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント
Youtubeで楽しみながら要約を知りたい方は、Youtubeで本書を纏めている方の動画を観るのでも、勉強になります。
両学長 リベラルアーツ大学
第129回 【米国を変えた男】ナヴァルに学ぶ!運に頼らず「富」を手にする方法【金言5選】【稼ぐ 実践編】
裏タメ-サラタメさんのサブチャンネル-
【9分で解説】現代億万長者の最短ルートは○○一択でした。
この本がおすすめの人・おすすめではない人
本書をおすすめな人
- FIREを目指して努力をしている人
- FIREまでの道筋に挫折しそうな人
本書をおすすめでない人
- 経済的に豊かになるための道筋を体系的に示して欲しい人
この本がおすすめの人
経済的に自由なお金持ちを目指している人にはおすすめな良書です。
貧しい移民時代から這い上がってアメリカンドリームを叶えたナヴァル氏だからこそ、一つ一つの言葉に重みがあります。
ビジネスを持つこと、レバレッジの重要性を主張する他のお金関連の書籍とは、違った気づきを与えてくれます。
特にFIREまでの道筋に挫折しそうな人にとっては、自分がやっていることが合っているのか、直すべきなのかを考えてみるきっかけになる書籍です。
この本がおすすめではない人
本書はナヴァル氏のツイッターやブログ、対談などから集めてきた語録集です。
語録集の性質上、どうしても体系的な記述とはなっておらず、理解しにくい人も一定数いるでしょう。
誰にでもナヴァル氏の言葉の深みは伝わりますが、経済的自由に向けて具体的な道筋を一から知りたい人には不向きです。
まずは「お金の大学」といった王道の書籍から読んでみることをおすすめします。
まとめ
本記事ではFIREを目指す方にとって、必要なエッセンスをナヴァル氏の金言を元に紹介しました。
FIREを目指すためには寝ている間にも稼いでくれる資産=富を手に入れなければなりません。
富を得るためのエッセンスは以下の通りです。
- 「努力量」は勝負を決めない、「方向」が重要であることを理解する
- 「特殊知識」を追求する
- 自分の「名」のもとに事業に取り組む
- 最強のレバレッジ「コード」と「メディア」を使う
- 自分の事業に長期的に取り組む
自分がした努力のうち、結果に結びつくのはたった「1%」と言われています。
といっても残りの99%が全て無駄というわけではありません。
実を結ぶ1%を見つけることが最も難しく、残りの99%は結果に結びつく1%を見つけるために必要な行動であると言えるのではないでしょうか。
経済的自由への道のりは1%を探す旅であり、決して楽ではありません。
そのような99%の努力を続ける私たちにとって、本書は確かな方向性と、たゆまず前進する勇気を与えてくれる書籍です。
